キャリアの自律を促すと離職率は増えるのか?
一つの会社で終身雇用としてやっていくことが難しくなりつつあるなかで
キャリアの自律、つまり一人ひとりに自分自身のキャリアを考えさせることが必要だと
言われてきました。
しかし、キャリアの自律を会社が支援すると
自社の離職につながるのではということが
感覚的には正しいように思えます。
それが正しいのかどうか、調べた研究がありました。
まず、キャリアの自律を促すやり方として4つの方法があります。
① 副業・兼業の許可
副業・兼業の許可は、個人のキャリアの充実につながるような業務外の活動を企業が許容するということであり、職務専念義務の例外として企業が新たに措置をした制度である。人生100年時代の働き方の支援策として、政府においても副業・兼業に関する法制度整備を進めるなど、社会的な後押しは強くなっている。
② 海外留学支援制度
会社の業務から外れ、決まった年数について海外の大学・大学院等へ通学する際の支援である。異文化での経験や多様なバックグラウンドをもつ人々との交流を通じて、視野を広げ、個人の知識や人的ネットワークを拡充する。海外のキャリア自律意識の高い価値観に触れることで、自律性を高める効果もある。
③ 社外ボランティア支援制度
ボランティア休暇など、社外活動としてボランティアをする際のサポートである。ボランティアに取り組む社会人は日本では少数にとどまるが、得られるスキルやネットワークには自己のキャリアを見直すきっかけになるものもあり、リクルートワークス研究所では「兼業ボランティア」として提唱している(「東京2020大会のボランティア・レガシー」参照)。
④ 独立・開業支援制度
企業の経営資源を用いた、スピンアウトベンチャーの開業支援などが該当する。個人のスキルを活かした新しい会社横断的なキャリアトランジションであり、業務外の社員の活動を支援するもの、のひとつとして考えることができよう。
それぞれの制度を導入している会社としていない会社について
新卒入社3年未満離職と中途入社3年未満離職率を調べてくれました。
その結果、2、3については
離職率が少なくなったとの結果に
1、4については大きな相関が見られなかったとのことです。
キャリアの自律を促したことで
離職率が上がるかと思いきや変わらないもしくは下がるという結果になったのだから驚きです。
これは一度外にいくことで
改めて自社のことを外から見つめ直し、自社の一員であることの認識が強くなったのではないかと考えられるとのこと。
まだまだキャリアの自律化を取り組む
企業は少ないみたいですが、
予想と反して取り組む価値はありそうです。
<参考サイト>